マネーゲームは儲かるのか?(2014年上場廃止企業)
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上場廃止基準に抵触した企業一覧
企業名 | 要因 | 回数 | 日時 | 日数 | 上昇率 |
---|---|---|---|---|---|
太陽商会 | 虚偽記載 |
2 |
2日目 |
2日 |
133% |
16日目 |
1日 |
49% |
|||
インスパイアー | 有報未提出 |
4 |
4日目 |
2日 |
85% |
7日目 |
4日 |
212% |
|||
14日目 |
2日 |
48% |
|||
23日目 |
1日 |
44% |
|||
ノア | 不適当な合併 |
2 |
7日目 |
4日 |
136% |
17日目 |
1日 |
32% |
この表の見方
左から順番に、「上場廃止した企業名」「上場廃止の要因」「マネーゲーム発生回数」「マネーゲームが発生した日」「マネーゲームが継続した日数」「マネーゲーム発生時の上昇率」となります。
(上場廃止した企業名)
2014年に上場廃止基準に抵触し、上場廃止になった企業は計3社です。
(上場廃止になった要因)
2014年の上場廃止企業の要因を掲載しています。虚偽記載とは、有価証券報告書に誤った情報を記載していた、有報未提出とは、有価証券報告書を提出期限内に提出できなかった、不適当な合併とは、非上場会社が上場会社と合併することによって裏口上場を行った(可能性)を表しています。
(マネーゲーム発生回数)
上場廃止に抵触した企業の上場廃止が決定してから、上場廃止日までに発生したマネーゲームの回数をカウントしています。「0」は、マネーゲームが起こらなかった企業です。
(マネーゲームが発生した日)
上場廃止に抵触した企業の上場廃止が決定してから、初めての取引を1日目としてカウントしています。ストップ安比例配分の日も1日としてカウントしました。「-」は、マネーゲームが起こらなかった企業です。
(マネーゲームが継続した日数)
マネーゲームが発生した日から高値を更新するまでの日数をカウントしています。「-」は、マネーゲームが起こらなかった企業です。
(マネーゲーム発生時の上昇率)
マネーゲームが発生した日から高値までの上昇率を計算しています。100%は株価が2倍に、900%は株価が10倍になっていることを示しています。
2014年上場廃止企業の特徴
アベノミクスの影響から、倒産企業数が激減しました。2014年はついにゼロになりそうです。そのため、今回のマネーゲーム情報は、倒産企業ではなく、「上場廃止基準に抵触し、上場廃止になった企業」を取り上げました。
この表を見てわかること
1、上場廃止基準抵触企業もマネーゲームが発生している。
2014年に上場廃止になった企業も、マネーゲームが発生しました。
2、マネーゲームの発生に上場廃止の要因は”さほど”影響しない。
マネーゲームの性質上、「上場廃止基準に抵触し、上場廃止になる」という事実に基づいて、投資家が行動しているようです。基準抵触の上場廃止には種類がたくさんありますが、それぞれの要因による株価の動きに、さほど変化はありません。
3、マネーゲームは、何度も繰り返す。
上場廃止に抵触した企業も、倒産企業と同じく、頻繁にマネーゲームが繰り返されます。倒産企業がないこともあり、上場廃止に抵触した企業に注目が集まったとも考えられます。
4、マネーゲームは、1日で利益確定するのが望ましい。
2014年上場廃止企業のマネーゲームは、のべ8回発生しました。2013年倒産企業の回数と同じです。また、上昇した日数が短いのも、ほぼ同じです。
株価が急騰したら、その日のうちに利益確定することが求められます。
5、マネーゲームの中には、株価が数倍に上昇する銘柄もある。
「4」と矛盾するかもしれませんが、上昇する銘柄を持ち続けると、株価が数倍に化ける企業が出てきます。インスパイアーは3.12倍になりました。
急騰する銘柄を持ち続ける代わりに小幅上昇での利益確定をあきらめるか? もしくは小幅上昇で利益確定を繰り返す代わりに、急騰銘柄の利益をあきらめるか? どちらを選択するかで投資家の判断が分かれます。
6、マネーゲームの利益率が低い
ここからが、上場廃止基準に抵触した企業の特徴です。基準抵触企業は、倒産企業と異なり、上場廃止が決定しても株価が下がりにくくなっています。下がりにくいと、マネーゲームが発生したときの上昇率が低くなり、利益率も低くなります。
7、フェニックスでの取引期待が株価に反映される
上記「6」の理由が、「フェニックスでの取引の可能性」です。
フェニックス銘柄制度とは、株式市場で上場廃止になった企業(銘柄)が取引できる場所として2008年3月31日からスタートした制度です。上場廃止基準に抵触した企業(銘柄)の一部が、フェニックスで継続して取引できているため、上場廃止日が近づいても株価が下がりにくくなりました。
ジパングがその一例です。
しかし、フェニックスでの取引期待がある期間は株価が維持されるものの、取引がないと決定したときは、株価が急落します。「上場廃止後の取扱についてのお知らせ」のIRが出るまでに、フェニックス関連のIRがない場合は要注意です。
まとめ
当サイトは、あくまで上場廃止になった企業データの掲載を趣旨としています。マネーゲームを推奨するものではありません。しかし、マネーゲームそのものを否定しているわけではありません。
株式投資を継続的に行っていると、運悪く投資先企業が上場廃止になるケースも考えられます。上場廃止に巻き込まれた投資家が、投資資金をできるだけ多く回収するためには、マネーゲームの知識が必須です。
このページが、マネーゲームの際に少しでもお役に立てれば幸いです。